<シミ取りレーザーのトラブル>
1. 照射後1~2ヶ月は炎症が加わり濃く見えることがある。
顔や手の甲の加齢性のシミは、Q-Switchのレーザー照射により薄くすることは可能ですが、照射後1,2ヶ月ではかえって濃くなってように見えることがあります。これは照射による炎症性のものなので、3ヵ月~6ヵ月で薄くなりますので、心配しないでください。
2. 肝斑には無効
しかし、「紫外線によるシミ」と「肝斑」の区別をせずに、シミなら何でもレーザー照射しましょう、という医師または施設は要注意です。照射後、何ヶ月経っても濃くなったシミが薄くならないというトラブルが発生することがあります。実際、裁判になった例もいくつかあります。
皮膚科学の基礎的研修をしていない医師によく見られるので、施術医の履歴などよく調べてから受診して下さい。
<脱毛のトラブル>
1. エステ脱毛と医療脱毛の違い
まず知って頂きたいことは、エステ脱毛と医療脱毛の違いです。
毛を生えなくするには、毛根部と立毛筋当たりにあるバルジと呼ばれる部分の2箇所の毛の幹細胞を焼かなくてはなりません。つまり、生体にやけどという侵襲を加えるのですから、保健所に登録した施設で、医師もしくは医師の指導の下、看護師などの国家資格を持った医療従事者が行わなければ、医師法に抵触してしまいます。
したがって、脱毛機器の出力が生体に侵襲を与えるのであれば医療脱毛、それより出力が低ければエステ脱毛ということになります。すなわち、医療脱毛では永久脱毛できるが、エステ脱毛では一時的脱毛、減毛までしかできないというのが医学的見解です。
2.機器による熱傷(やけど)
脱毛のトラブルで多いのは機器による熱傷(やけど)です。理論的には、医師が管理する医療脱毛では医療事故の一つですが(実際は事前のリスク説明があれば免責されることが多い)、エステサロンでは、医師法に抵触するか、傷害の刑法犯罪になるはずです。
脱毛サロンでの脱毛に伴う熱傷。(傷害罪に該当する)
<植毛のトラブル>
1. 毛が生えない
植毛というのは、自毛を採取して一本一本植えていくのが基本ですので、皮膚移植と同様に、植えた部位の血管が移植された毛の毛根に侵入し、血行が再開しない限りは生着せずに抜けてしまいます。したがって、移植した毛が100%生着して抜けないというのは理論的には無理です。治療技術により生着率に差が生じる、極めて不確実な手術と言って良いかもしれません。
2. 後頭部の毛髪皮膚採取部の脱毛
一般的に、移植する毛は後頭部から横紡錘形の皮膚ごと採取しますが、この部分の縫合保のキズアトと脱毛が問題になることがあります。原因としては、皮膚の切り方があります。毛は斜めに生えているので、その角度で切らないと何ミリか無毛部位ができてしまいます。この原則は形成外科専門医にとっては常識ですが、形成外科の教育を受けていない医師の場合は果たしてどうでしょうか。また、縫合後感染を来すと脱毛することがあります。
3. 一度生えたが再度脱毛した
元々薄毛の方は移植した毛も再度抜ける事があります。
スクエアクリニック公式HP
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