今回は、美容医療で人気のある、
#ボトックスR注射によるしわ取りと、#脂肪吸引のリスクについてお話します。
1. A型ボトリヌス毒素注入とリスク
いわゆる#ボトックス™の名前が有名で、これの注射で顔面のしわが取れます。
作用機序を簡単に説明すると、これの注射で運動神経と表情筋の連絡を遮断して、筋肉の動きを制限します。注射液の濃度を誤らない限り、リスクはありません。しかし、注入部位を誤ると目が開きにくくなったり、眉の上がり方に左右差がた出たりします。
因みにボトリヌス菌毒素は、飲めば肋間筋を動かなくして人を死に至らすものですが、医療用に注射するものは濃度も低く、体内に移動することはないので、生命に関わることはありません。
写真(左)ボトックスによる額のしわとり。(右)注射後1か月の状態。
2. 脂肪吸引とリスク
皮下脂肪を吸引用のカニュウレを突っ込んで陰圧をかけて掻把吸引する方法で、部分的には皮下脂肪など脂肪組織を減らす効果があります。通常は、腹部を施術しますが、四肢や顎下を施術することもあります。
以下に生じ得るリスクを列挙し、説明します。
① 血腫を形成することがあります。
大きな血腫だと中々吸収されず、拡大性血腫になり長期に残ったり、摘出の必要性が生じることもあります。また、出血が多いと重度の貧血になり、生命に関わることもあります。
注:貧血症例の経験。以前、大学病院で脂肪吸引の後遺症で診察した30代の女性ですが、体調不良を訴えたので血液検査をしたら、赤血球数と血色素量が通常の半分に陥っていました。何でも、前の日、腹部と大腿部の脂肪吸引をされたとの事で、可成り大量の脂肪を吸引されたとのことでした。術後検査も入院もなされず、当日帰されたとのことです。タクシーで帰宅したが、ふらふらですぐ布団に入ったとのことでした。このような施術医は医療者としては、可成り問題があります。
② 皮膚と筋膜の癒着
皮下脂肪の吸引し過ぎで、皮膚と筋膜や筋肉が癒着し、運動障害や凹みが生じることがあります。特に上腕や大腿において生じます。これは治しようがありません。
注:某アイドルグループの20代女性で、二の腕の脂肪吸引を受けた後、筋膜と皮膚の癒着を生じ、踊りに支障が出たということで、私の大学病院を受診したことがあります。同様の後遺症は他にも診察したことがありますので、私は腕の脂肪吸引は行うべきでないと思います。
③ 肺血栓・塞栓による死亡
脂肪吸引で起こりうる最も重篤かつ致命的な合併症です。極めて稀とは言え、決して起こってはいけない合併症であり、兆候が見られたら素早い対応処置や救命救急センターへの救急搬送が重要です。
④ 腹腔内損傷
カニューレが腹腔内に突っ込まれて、胃腸や肝臓が損傷されると言う、最悪の医療過誤が起こって患者さんが腹膜炎で死亡する、と言う医療事故が報道されたことがあります。医療のいろはも知らない、にわか美容外科医の仕業と信じます。医学教育をまともに受けた医師では、考えられない行為です。
死亡例の提示:某施設で、脂肪吸引のカニューレが腹壁を破り、腹腔内に侵入して腸を破り、便を腹腔内にばら撒き、腹膜炎で死亡した症例がありました。同様な事故は幾つか聞いています。
スクエアクリニック公式HP
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#ボトックス #脂肪吸引
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