1.膠原病
2.薬疹・中毒疹
3.小児感染症
4.癌の皮膚転移(皮膚癌以外)
5.性病の皮膚症状
2.薬疹・中毒疹
概説:何らかのアレルギー現象で、身体の一部もしくは全身に不定の皮疹が発生し、時には熱発を伴ったり、角膜障害で失明する事もある皮膚疾患です。治療の原則は漸減性のステロイド投与ですが、それでも稀に、骨髄抑制を生じ、パンサイトぺニア(全血球数低下)に陥り、輸血が必要になる事もあります。原因が、薬物であると断定される場合は、薬疹と言います。
1.#薬疹
薬疹は皮膚科の診療で最も怖い急性疾患です。それは、予期できない場合が多く、角膜障害による失明や、骨髄抑制の診療が遅れて死亡に至ることも稀にあるからです。昨今、コンビニで薬剤を販売するとか、メットでの薬剤の流通を見て、もしこのような不幸な経過を患者さんが被ったら、一体だれが責任を取るのだろうと、非常に危惧しています。
薬疹とは
薬疹は、抗生剤や消炎鎮痛剤の服用や注射によって生じる発疹です。特定の薬に対して反応するような細胞や抗体がある人にだけ生じるもので、反応する細胞や抗体ができるには服薬後1〜2週間かかり、そこで初めて発症すると考えられます。薬疹には、原因となる薬を中止することで改善するものもありますが、中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群、薬剤性過敏症症候群と呼ばれるアレルギー性の薬疹は、原因となった薬を中止しただけでは反応が止まらずに悪化していく重症薬疹であり、一刻も早い的確な対応が必要になります。
このような不定の皮疹で、薬剤使用の可能性がある場合は、薬疹を疑う。
注)固定薬疹
固定薬疹とは、身体の特定の決まった部位に境界明瞭な紅斑や褐色斑を生じる疾患です。薬剤が原因であるということを見逃されて再発を繰り返す場合が少なくありません。
特定の抗生剤や鎮痛解熱薬で固定薬疹が生じやすいようです。
症状について
恐ろしい薬疹は、最初の診断の過ちや遅れが命取りになつこともあります。嘗て、死亡例の判決で、医師が負けたこともあるようです。
スティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson syndrome, SJS)と、毒(toxic)により表皮(epidermal)が壊死(necrolysis)する中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis, TEN)は、全身の皮膚が赤くなり、擦るだけで皮膚が剥離して、ヤケドのようになる重症薬疹です。剥がれた皮膚の面積が10%以下のものをSJS、それ以上の重症例を中毒性表皮壊死症TENと診断します。恐ろしいのは、皮膚だけでなく眼、口唇、陰部などの粘膜が傷害されるのが特徴で、初期から粘膜症状が強い場合はTENの可能性があります。TENの死亡率は20~30%と考えられており本症を疑ったら一刻も早く的確な対応が必要となります。なお、SJSの50%以上およびTENの最大95%の症例では薬剤が原因ですが、感染なども原因となり得るので、初期診断が必要です。
また、薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome, DIHS)と言うのがあり、ウイルス(ヒトヘルペスウイルス6型と考えられています)が関与する重症薬疹です。抗てんかん薬や痛風(高尿酸血症)治療薬などの起こりやすい薬が知られており、服薬してから発症までに、多くは3週間以上で平均4週間といわれ、稀には1年以上過ぎてから発症することもあります。発熱と、かゆみのある紅斑で発症することが多く、リンパ腺が腫れ、白血球が増加します。発疹は誘因となった薬を中止しただけでは反応が止まらずに悪化していく場合があります。
治療について
アレルギー性の薬疹は、とにかく原因の薬を中止することが何より重要です。その上でステロイド薬の服薬や、ステロイド薬を集中的に用いるステロイド・パルス療法を進めていきます。ヒト免疫グロブリン製剤の投与も行われる場合があります。これらの治療で反応しない場合には血漿交換も行われます。薬疹が疑われたら一刻も早く治療を開始することが重要ですので、速やかに専門の施設に救急搬送して、入院加療の必要があります。
2.#中毒疹
薬剤の原因ではない何らかの物質による、レルギー現象で、身体の一部もしくは全身に不定の皮疹が発生し、時には熱発を伴ったり、角膜障害で失明する事もある皮膚疾患です。短時間の間に全身に発疹が生じた場合、体内の何らかの物質が原因(毒)となっていると想定して、中毒疹と呼ぶことがあります。原因となる物質はさまざまで、薬、食物、体内で作られた何らかの物質、感染症に伴ってできる物質などが挙げられます。薬が原因と判明した場合は薬疹と呼ばれます。
症状、治療は原因が分かれば除去します。治療は概ね薬疹と同様です。
相談は:水道橋駅前・スクエアクリニック・デンタル医科部門
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