お腹などから吸引した脂肪を、顔の凹んでいる部分に注入し、若返りを図る方法があります。また、吸引した脂肪を乳房に再注入する豊胸術が行われています。
しかし、注入された自家脂肪に100%血管が侵入し生き残ることは、絶対にありません。つまり、移植された脂肪のかなりの割合で生着せずに油(パラフィンやワセリン)と同じ炭化水素系異物)となって遺り、異物反応や感染でシコリとなります。そして、乳癌の早期発見や早期治療のための自己診断(自分で触ってシコリを触ったら乳癌専門医にかかる)を邪魔してしまうという生命に関わる大変な問題を遺します。また、感染が重度になれば、皮膚壊死もまれに起こります。
脂肪注入後の感染。
ポリアクリラミド(Poly-acrylamide)の注入による後遺症
1.ポリアクリラミド(Poly-acrylamide)の歴史
ポリアクリラミド(Poly-acrylamide)は非吸収性フィラーであり、1980年代にウクライナでGelと言う名前で開発され、その後中国でAMAZINGEL[下図参照]という名前の商品として広く普及し、顔面や乳房に注入されました。当時の中国では、「異物反応がない」という、今考えれば虚偽の宣伝文句で、相当数の患者に用いられたようです。実際に当時、私は中国の学会で口を酸っぱくして警鐘を鳴らしたのですが、業者に取り込まれたり、脅迫めいた不安を感じる中国人医師はまったく聞く耳を持ちませんでした。
2.中国衛生部(我が国で言えば厚労省)が使用禁止したのに我が国は野放し
その結果、中国では多くのシコリ形成、感染、皮膚壊死などの惨害を発生し、中国衛生部によって2000年代の後期に使用を禁止されたようです。しかし、その後も我が国では特に豊胸術を中心に使用されたようです。
3.単体は有害物質
ポリアクリラミド(Poly-acrylamide)自体はともかく、これが単体のモノアクリラミド(Mono-acrylamide)は、発癌性がある有害物質とされ、いずれの製品にも何ら公的機関による保証はなく、混合されていても分からないということです。
ポリアクリラミド(Poly-acrylamide)の製品。
左:中国性AMAZINGEL 右:ウクライナ製GEL
ポリアクリラミド(Poly-acrylamide)の乳房への注入による後遺症に対し、摘出している様子。
本写真は、日本美容医療協会理事長 青木律医師からの提供による。
スクエアクリニック公式HP
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#豊胸術 #ポリアクリラミド
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