1.膠原病
2.薬疹・中毒疹
3.小児感染症
4.癌の皮膚転移(皮膚癌以外)
5.性病の皮膚症状
1.膠原病
概説:#膠原病とは#自己免疫疾患の総称です。
免疫異常で本来敵が入ってきたときに攻撃するのに、間違って自分の体を攻撃することで発症します。膠原病には、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、強皮症、皮膚筋炎などがあります。これらの病気は、関節や内臓、皮膚など、体のさまざまな部分に影響を与えます。自己抗体の検査で診断が確定します。治療法は、ステロイド投与が基本ですが、疾患によって、種々の専門的治療があります。
膠原病は原因が明確ではない。
遺伝的や環境的な要因、感染症が誘因となることがあります。また、女性に多く発症し、
特に20代から40代の若い世代に多く見られます。
膠原病における皮膚病変の重要性。
膠原病において皮膚病変が重要視されるのは、皮膚が疾患の初期段階で影響を受けやすいからです。時には、皮膚の異常が最初に現れる症状となり、それが膠原病の発見につながることもあります。皮膚病変の種類や出現部位は膠原病の種類によって異なり、特定の疾患に特徴的な皮膚症状が見られることが多いです。では、代表的な膠原病の皮膚病変について、言及します。
1.#蝶形紅斑(#SLE)
これは一番有名かもしれません。蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)」と呼ばれる、鼻から両頬にかけて現れる蝶のような形をした皮膚の赤みです。これは、蝶が羽を広げたような形をしていることから名付けられました。かゆみや痛みはない場合が多いです。皮膚を触ると少し盛り上がっていることもあります。日光に当たることで悪化することがあり、日光過敏症がこの症状を引き起こす要因となります。全身性エリテマトーデス(SLE)にみられる事が多いですが、皮膚筋炎にもみられる場合があります。顎にかけてもみられる事が多いです。
典型的な蝶形紅斑。
2.円板状紅斑(SLE)
全身性エリテマトーデスで見られる事がある皮疹で、名前の通り丸く円形に赤みがあります。さわるとやや固くなっているのが特徴です。主に顔面、耳、頭皮に見られ、時間が経過すると中心が瘢痕化すことがあります。頭部にできると永久に脱毛が生じることもあります。
3.#環状紅斑(#シェーグレン症候群)
これも丸く赤い皮疹で辺縁部が盛り上がっているのが、特徴です。顔にでることが多く、シェーグレン症候群に多くみられます。
4.#レイノー現象
レイノー現象は、血管が一時的に収縮することによって手や足の指先が冷たくなり、白くなったり青紫色になったり赤くなったりして 10分ほどで正常に戻る症状を指します。これは、寒さやストレスが引き金となって起こることが多いようです。特に女性に多く見られる現象です。
膠原病でもこの症状がでることがあり、強皮症や全身性エリテマトーデスの方になる事があります。特に強皮症の方の半数はRaynaud 現象で発症するため膠原病の初発症状としてとても重要です。これは血流障害によって引き起こされるもので、レイノー現象が長期にわたって続くと、指先に潰瘍ができたり、壊死が生じることがあります。
下図:レイノー現象の指先。
5.皮膚の硬化(強皮症)
文字通り皮膚が固くなってしまう病気があります。それが強皮症という病気です。強皮症では、まず手指や顔面に皮膚硬化が現れます。皮膚が厚く硬くなり、弾力を失い、触ると硬い感触があります。この皮膚硬化は徐々に全身に広がり、手指の関節が曲がりにくくなることがあります。また、顔面の皮膚が硬くなることで、表情が乏しくなり、仮面をかぶったように表情がなくなるため、「仮面様顔貌」と呼ばれる症状が見られることもあります。
6.#ヘリオトロープ疹(皮膚筋炎)
目の周り紫紅色の発疹の事をヘリオトロープ疹と呼びます。ヘリオトロープの花の色から名付けられています。この発疹は、まぶたの周りに出現し、目の周りが腫れぼったく見えることがあります。ヘリオトロープ疹は、皮膚筋炎の診断において非常に重要なサインで、通常は両側にみられます。
7.#ゴットロン徴候(皮膚筋炎)
皮膚筋炎のもう一つの特徴的な皮膚症状が「ゴットロン徴候」です。これは、手指の関節や肘、膝などの伸側に紫紅色の丘疹が現れるもので、しばしば皮膚が硬く、鱗屑が伴うことがあります。ゴットロン徴候は、皮膚筋炎を強く疑う際の重要な手がかりとなります。
8.爪囲紅斑
爪の根元や側縁に炎症が生じて、赤く腫れる状態です。これは、爪を囲む皮膚に炎症が発生し、通常は局所的な刺激や感染、自己免疫反応などが原因で起こります。この状態は痛みを伴うことがあり、放置すると爪の変形や爪が落ちるといった深刻な問題に発展することもあります。爪囲紅斑の原因にはさまざまな要因がありますが、そのうちの一つに膠原病があります。皮膚筋炎や全身性エリテマトーデスでこの症状がみられます。特に皮膚筋炎では高頻度で見られますので、診断的価値が高いです。
9.網状皮斑
網状皮斑とは、皮膚に網目状または大理石模様のような模様が浮かび上がる状態を指します。この模様は、皮膚の血管が異常に収縮したり拡張したりすることで現れます。通常は、寒さにさらされたときや、血液の循環が悪くなったときに見られることが多いです。特に四肢(手足)に発生しやすいですが、体の他の部分にも現れることがあります。網状皮斑の原因にはさまざまな要因がありますが、そのうちの一つに膠原病があります。全身性エリテマトーデスでこの症状がみられます。
10.#光線過敏症
日光に当たると肌に異常が現れるというのが、光線過敏症です。光線過敏症は、通常の光、特に日光に対して皮膚が異常に反応する状態を指します。日光に当たると肌が赤くなったり、かゆくなったり、さらには水疱ができることもあります。
光線過敏症の原因はさまざまありますが、そのうちの一つに膠原病があります。全身性エリテマトーデスや皮膚筋炎でこの症状がみられます。具体的には日光を浴びると元々あった皮疹が増悪したりします。対処としては、日焼け止めを塗布したり、つばひろの帽子や、長袖、手袋、日傘が必要になります。
相談は:水道橋駅前・スクエアクリニック・デンタル医科部門
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