テレビを見ても、ネットを見ても、#美容外科クリニックチェーンと思われる宣伝ばかりです。
なぜ、こんなことになってしまったのか、私なりに分析してみます。
1. 美容医療に対する罪悪感が軽減した。
2.面接対策からアンチエージングまで。
3.レーザーなどの、多くの美容機器が開発された。
4. 直美医師の増加―最近の若手医師は、修行よりも早く金になる方向に向かう。
5. 適性の優れた女性医師の急増。
6. 医師でない業者が参入可能になった。
7. 広告代理店、弁護士への依存度が上昇した。
8. 美容外科医のタレント化
9. 映像文化の蔓延
10. ITによるシミュレーションの登場
11. 現代美容医療の、コンビニ・回転ずし化の利点と問題点。
4.#直美医師の増加―最近の若手医師は、修行よりも早く金になる方向に向かう。
① 医療の中の美容医療の立ち位置
#美容医療を#美容産業として捉えると、美容医療は本来の医療、即ち、人の痛みや苦しみを和らげ、生命を守る、と言う目的から逸脱しているように思えます。詭弁を弄すれば、自身の醜状を悲しんで、鬱病になったり、高じて自殺念慮が生じる患者さんを美容医療が救うから、本来の医療の目的から必ずしも逸脱しない、と言う向きもありますが、それはほんの一部の特殊な例であり、また美容医療の普遍的な目的ではないと言えます。ですから、そんな詭弁はもうやめましょう。美容医療もれっきとした医療ですが、本来の医療とは大分異なると思います。
➁ 直美とは
さて、「直美」とは何でしょう。医療界で最近せきた造語です。医学部を卒業して、国家試験に合格し、2年間の臨床研修医を修了したたら、大学や大病院の各専門科の医局に入局し、専門医取得のための後期研修を受けると言うのが、一つの定まったレールですが、それを逸脱して臨床研修医2年の終了後直ちに美容外科に就職する医師のことを、直接美容外科に入る、すなわち「直美」といいます。
こういう道は、何年かの修行を放棄して専門医療界にはいると言う事で、恰も寿司屋の下積み修行をせずに若い頃から回転寿司に就職するようなものだと思います。そういう寿司職人さんは、望んでも高級寿司店に就職して一流の寿司職人にはなれないと思います。
➂ 形成外科と美容外科
医療の世界も同様、正規の美容外科専門医が取りたくなって、大学の形成外科に入局するには、厳然たる関門があると思います。実際、正規の日本美容外科学会専門医を取得するには、2年間の臨床研修医終了後、形成外科を6年くらい修行して、日本形成外科学会認定形成外科専門医の試験に合格して、更に4年位美容外科の経験を経てからでないと、日本美容外科学会認定美容外科専門医は取得できません。このように長い研修を経験しないと、メスを執って美容外科の手術は許されないのです。直美の医師が就職後如何なる研修を受けているのか知りませんが、本当にメスを執って良い物か、私は後遺症患者を多く診察して、とても心配しています。
④ 若手医師の拝金主義
また、最近の若手医師の「拝金主義」にはうんざりします。なかには、家庭の為や自らの病気の為にやむを得ない若手医師もいますが、多くは遊ぶ金目当てでしょう。20代後半で、年収3千万とか4千万とかもらえると言う甘言に誘われて、直美のみならず、1年や2年間の形成外科医局経験で、大学病院を辞めて美容外科チェーン店に走る若手医師を多く見てきました。
確かに、大学病院などの勤務は給料も安く、当直もあって不規則な生活を強いられて、派遣による地方勤務もあり更に学会発表や論文執筆もあり大変です。でも、それが医療における大切な経験であり、そういう経験は立派な専門医になるための必要な道程であるはずなのですが、時代が変わったのでしょうか。
最後にお断り:本文章は、決して回転ずしを誹謗するものではありません。回転ずしにも立派に修行した寿司職人さんもいて、高級寿司店に負けず劣らずの食材を提供される場合もあります。ここでは、長い下積み修行を経験せずに寿司職人になる向きを比喩したものであることをお断りします。
ご相談は:水道橋駅前・スクエアクリニック・デンタル医科部門
までお願いします。
Ph:03-6272-8787 E-mail:info@hiko-sq.com
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