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豊胸術の基礎知識。

  • 執筆者の写真: HIKO HYAKUSOKU
    HIKO HYAKUSOKU
  • 6月26日
  • 読了時間: 2分

豊胸術の歴史について記載する。


1.パラフィン、ワセリン、シリコンジェル注入の時代:戦後の日本では、異物の注入による豊胸術が半ば闇で行われ、異物もパラフィン・ワセリンなどの炭化水素から、シリコンジェルに至り、シコリの形成や変形、異物の皮膚への染み出し、自己免疫疾患であるヒト・アジュバント病の罹患などの惨害を遺した。


2.シリコンバッグの時代:1980年頃からは、シリコンジェルをシリコンラバーなどのバッグに封入した、バッグプロテーゼが市販され、腋窩部や乳房下部から挿入された。しかし、カプセル形成によるシコリや、破裂や劣化により、シリコンジェルの注入と同様な後遺症が発生することもあった。


3.生食バッグの時代:1990年代は、生理食塩水バッグ(生食バッグ)が世界を席巻しました。しかし、感触が悪い、外力や気圧の急変で破潰しやすいなどの欠点から、長くは続かなかった。


4.コヒーシブシリコンバッグの時代:2000年頃からの主流は、バッグが破れても内容物が流出し難い「コヒーシブシリコンバッグ」が用いられるようになった。


5, その他: しかし、一部でハイドロジェルの注入やハイドロジェルバッグの埋入、正しくない方法での脂肪注入なども行われ、感染による皮膚壊死や乳癌との区別の難しい、シコリの形成という後遺症を遺したこともある。

 

悪性リンパ腫の発生:更に最近では、欧米でテクスチャータイプのバッグ(バッグの表面がザラザラしている)による悪性リンパ腫の発生も稀にあるとの報告があり、我が国でも発生している。

乳癌の合併について:シリコンに発癌性がないことは実験的にも臨床的にも証明されているが、ハイドロジェルとくにポリアクリラミドが単体になると発癌性が懸念されている。シリコンにせよ、脂肪注入にせよ、シコリを作る可能性があるので、乳癌の自己診断や早期発見を阻害することは明白である。

 

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結論:未だに絶対安全な豊胸術はないが、そのリスクを十分に説明し理解してもらい、承諾の署名をもらうことで、施行されるべき美容外科手術である。




スクエアクリニック公式HP


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