1.膠原病
2.薬疹・中毒疹
3.小児感染症
4.癌の皮膚転移(皮膚癌以外)
5.性病の皮膚症状
3.#小児感染症(皮疹による区別)
① #突発性発疹
➁ #麻疹(はしか)
➂ #風疹(三日ばしか)
④ #水痘(みずぼうそう)
⑤ #手足口病
⑥ #伝染性紅斑(リンゴ病)
⑦ #流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
今回は④⑤⑥⑦
④ #水痘(水ぼうそう)
概念:水痘帯状疱疹ウイルスによっておこる感染力がたいへん強い疾患です。多くの場合それほど重くなりませんが、いくらかの数の子どもが重症になり、毎年10名以上が死亡していると考えられています。麻疹(はしか)と同様に空気感染もあり、どこで感染するかわかりません。
症状: 2~3週間の潜伏期の後に、熱が出て、体に虫さされのような赤い斑点が出てきます。1日くらいでそれが水ぶくれになって、頭も含めた全身に広がり、強いかゆみもあります。熱は数日でおさまって、水ぶくれの所も黒いかさぶたがつくようになり、7日くらいでおさまります。ただし、熱発に関しては、出ない場合もあれば、高熱が続く場合もあります。
予防法:水痘ワクチン(2014年10月から定期接種・生ワクチン)で予防します。1歳すぐで1回、1回目の接種後3か月たったら2回目を接種します。
年長児や成人では入院を要する重症化のおそれがあるので、水痘にかかっていない人はワクチンを2回受けるべきです。
水痘(みずぼうそう)と#帯状疱疹の関係:水痘と帯状疱疹は、共に水痘・帯状疱疹ウイルスが原因でおこります。水痘はこのウイルスにはじめて感染したときにおこる病気の姿です。一方、帯状疱疹は水痘にかかったことのある人の免疫力が下がったときにおこる病気の姿です。一般的には大人、高齢者の病気ですが、若い人もかかることがあります。とくに、帯状疱疹でおこる神経痛は寝られないほど激しいことも多く、一生苦しむこともあります。
現在、帯状疱疹そのものや、後の神経痛を少しでも軽くするために、50歳以上の人が受けられるワクチンがあります。ワクチンは2種類あり、1つは子どもが受ける水痘ワクチン(生ワクチン)で、もうひとつは帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン)です。詳しくはかかりつけ医にご相談ください。強いかゆみもあります。熱は数日でおさまって、水ぶくれの所も黒いかさぶたがつくようになり、7日くらいでおさまります。ただし、熱が出ない場合もあれば、高熱が続く場合もあります。
重症水痘症:まれにですが、脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症を伴うことがあります。1歳前、7~10歳以上、アトピー性皮膚炎など皮膚の病気のある人などが危険群ですが、健康な子どもや大人も重症になるのが問題です。
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水痘の皮疹
⑧ #手足口病
概念:手のひらや足の裏ときに足背、口の中や舌などに小さな水ぶくれのよう皮疹を引き起こす疾患です。コクサッキーウイルスやエンテロウイルスに感染することによって発症し、5歳以下の小児を中心に夏季に流行する傾向があります。
一度感染すると免疫ができるため、同じウイルスに再び感染したとしても再発することはありません。しかし、原因となるウイルスは複数あるため再発することもあり、さらに近年では成人が発症するケースも増えています。
症状:手足口病は発疹のほか発熱が見られることもありますが、多くは1週間以内で自然に軽快します。しかし、まれに脳炎など重篤な合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。
診断:手足口病は文字通り特徴的な症状が見られるため、年齢や流行期などを考慮し、多くは特別な検査をすることなく診断が下されます。しかし、重篤な合併症を引き起こしたケースなど原因となったウイルスの特定が望まれるような場合には、水ぶくれの内容液、喉や鼻の粘液、便などにウイルスが含まれるか調べる検査が行われます。また、各ウイルスに対する抗体の量を調べるための血液検査が行われることがあります。
治療:原因ウイルスに対する抗ウイルス薬は開発されていないため、それぞれの症状を和らげるための“対症療法”が主体となります。
具体的には、発熱に対する解熱剤、口の中の痛みに対する鎮痛薬などが用いられます。水ぶくれは3~7日ほどで自然にかさぶたとなって治っていくため、かゆみや痛みなどがない場合は特に塗り薬などは必要ありませんが、何らかの症状がある場合は非ステロイド系の塗り薬が使用されます。
また、口の中の水ぶくれが潰瘍化し十分な飲食ができない場合は、脱水の予防・改善のため乳幼児は特に点滴治療が必要になることもあります。
予防法:飛沫感染などに対する一般的な感染対策を徹底することが大切です。具体的には、手洗い、手指消毒などが挙げられ、集団生活の場で手足口病が流行している時期はマスクの着用も効果的とされています。また、手足口病は症状が改善した後も2~4週間は便の中に排出される性質があります。そのため、オムツ交換やトイレの使用時は手洗いが重要です。
手足口病の典型的な画像を示す。
⑥ #伝染性紅斑(リンゴ病)
症状:リンゴ病とは、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因で起こる感染症です。正式には伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)といいますが、ほおがリンゴのように赤くなることから、「リンゴ(ほっぺ)病」という通称で呼ばれています。小児を中心に4~5年周期で流行をくりかえしており、冬から初夏にかけて増える傾向があります。感染しても始めのうちは症状が出ないこともあれば、微熱や軽いかぜのような症状が出る人もいます。ウイルスが体の外に最も多く排出されているのはこの時期です。その後約1週間を過ぎると、両ほおに赤い発疹があらわれます。このころにはもう、感染力はほとんどありません。続いて手や足、場合によっては胸やおなか、背中にも、網目状の発しんがみられます。大人は関節痛が出ることも。発しんは、1週間程度で消えますが、再び出てくることもあります。ほとんどの人は自然に回復します。ただし、妊婦が感染すると、おなかの赤ちゃんに悪い影響(胎児水腫、流産、死産)を及ぼすことがあります予防できるワクチンや特別な治療法はありません。関節痛がつらい場合は鎮痛剤、かゆみが強い場合はかゆみ止めなどが処方されます。
感染経路:くしゃみやせきによって、ウイルスを含んだしぶきが飛び散り、それを吸い込いこむことで感染します。ウイルスのついた手で自分の口や鼻をさわったり、感染者と同じ食器を使ったりすることでも感染します。
予防方法:手洗いは重要です。手や指についたウイルスを物理的に除去するには、流水・石けんによる手洗いが有効です。せきやくしゃみが出るときは、リンゴ病の流行時期に限らずマスクをつけましょう。マスクをしていないときに出そうになったら、ティッシュや腕で、口と鼻をおおってください。もしも手のひらで口や鼻をおおってしまったら、すぐに手洗いしましょう。
妊婦は注意:妊娠中に感染したら、おなかの赤ちゃんを注意深く観察する必要があります。妊婦健診をきちんと受け、感染が疑わしいときは産科の医師に相談してください。お子さんがいる場合は、お子さんの発熱やかぜの症状に注意し、食器の共有やキスは避けましょう。お子さんが通う学校・幼稚園・保育所で発生したら、送り迎えはひかえる、かぜのような症状がある人との接触を避けるなどして注意してください。
リンゴ病の俗称を物語る頬の紅斑。
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⑨ #流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
概念:流行性耳下腺炎とは、ムンプスウイルスによる感染症で、一般には「おたふく風邪」として知られています。3~6歳の小児に多い感染症ですが、他の年齢でも感染することがあります。
原因と感染経路:病原体はムンプスウイルスです。感染経路は、患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛まつ感染、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染があります。
症状:潜伏期間は2~3週間程度で、突然の発熱、両側、あるいは片側の耳の下のはれと痛みが起こります。特有の皮疹はありませんが、両側の耳下腺が腫れて発赤することが多いようです。発赤腫脹が顎の下にも広がることがあります。通常1 ~2週間で軽快します。まれに無菌性髄膜炎、 難聴、 精巣炎などの合併症を起こすことがあります。また、感染しても症状が現れない不顕性感染が30%程度あるとされています。
成人が感染すると症状が重くなる傾向があります。
治療:特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
予防: 有効な予防方法は予防接種で、現在、任意予防接種として1歳以上で接種することができます。
診断・感染症法との関連:通常は臨床的に診断されますが、確定診断にはウイルスやウイルス遺伝子の検出、抗体検査が行われます。感染症法では五類感染症(定点把握対象)に定められ、定点医療機関から毎週患者数が報告されています。
相談は:水道橋駅前・スクエアクリニック・デンタル医科部門
までお願いします。
Ph:03-6272-8787 E-mail:info@hiko-sq.com
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