美容皮膚科とは---,切らない美容医療
- HIKO HYAKUSOKU

- 11月13日
- 読了時間: 4分
百束比古#美容外科後遺症外来
姓名:百束比古(ひゃくそく・ひこ)
現在の所属:水道橋駅前・スクエアクリニック・デンタル医科部門院長
Ph:03-6272-8787 E-mail:info@hiko-sq.com
5. #美容皮膚科とは---#切らない美容医療
現在行われていると思われる美容皮膚科がどこまでかは分かりませんが、いわゆる「切らない美容医療」について概説します。
① #レーザーの開発
いわゆる「切らない美容医療」が、世に出たのはレーザーなどの美容対応器械の開発によるところが大きいと思われます。1970年代には嘗て兵器として開発されたレーザー光線が、医療用にも応用可能とされて、テスト試用されてきました。しかし、当初のレーザーは照射時間のコントロールができず、大くの熱傷を合併症として生み出してきました。
それが、1980年代になって、マサチューセッツ工科大出身の米国の皮膚科医ロックス・アンダーソン博士が、Q-switch という画期的な照射時間調整方法を発明して以来、飛躍的な発展を遂げました。
その後、種々の物質の発振装置が開発され、あざ治療、シミ取り、脱毛、血管腫治療、コラーゲン収縮や新生による若返り、脂肪凍結による部分痩せ、組織焼灼や止血、など多岐に亘る医療への適用がなされています。
➁光治療器の開発
レーザーは、直進する光線で、吸収される波長を取り出して治療に供するのですが、散乱光でもフィルターをかければ同様の効果が出せると考えて、光治療器が開発されました。
レーザーより効果は劣りますが、その分熱傷などの危険も減ります。IPLが広く知られていて、皮膚の若返り、脱毛などに適用されています。
➂ #フィラーの発展―#豊胸術の歴史から
生体内に注射で異物を注入することは、1950年代の、炭化水素系異物(パラフィンやワセリンなど)による豊胸術に始まりましたしかし、しこり形成が必発で、多くの惨害を残したため、1960年代には、シリコン系異物(シリコン液やジェル)がとってかわりました。しかし、同じようにシコリや、ヒトアジュバント病罹患の危惧から、注入法は廃れ、シリコンを封入した「シリコンバッグ」が登場しました。その後、種々の内容物のバッグが開発され(生食、ハイドロジェル、コヒーシブシリコンなど)今は、破れても内容が流出しない、コヒーシブシリコンバッグが、最も安全とされています。
④#フィラーの発展―#ヒアルロン酸の登場
顔面などの陥凹部に、注射で充填する物質として、シコリができても自然に吸収される物質としては、従来コラーゲンがありました。しかし、充填効果が乏しく、あまり普及しませんでした。1980年代になって、この欠点を補うために、新たにヒアルロン酸が登場しました。美容目的では、額のしわ、眉間のしわ、目尻のしわ、法令線、下口唇のマリオネットラインなどが充填対象にされているようです。また、隆鼻を目的に鼻筋に注入することがありますが、眼動脈内注入による失明の重篤合併症の報告があるので、避けた方がいいようです。なお、口唇部、鼻翼部、頬部の組織壊死の報告もされています。なお、吸収性フィラーでも注入法によっては異物肉芽腫によるシコリが出来得るので、分解酵素の注射が必要な場合もあります。
⑤フィラーの発展―非吸収性フィラーの弊害
ポリアクリラマイドハイドロジェル、その他商品名なので記述しませんが。非吸収性フィラーが充填剤として蔓延した理由は、ヒアルロン酸のように毎年追加注入が必要ではなく、半永久的に充填されると言う事でした。ところが、吸収されないので一旦できたシコリは半永久的に遺ると言う、致命的な障害を遺すことになりました。また、それを取るには皮膚切開を必要としたり、フィラーが皮膚にしみこんで、切除不可能という惨害をのこしたのです。

⑥ A型ボツリヌス菌毒素(ボトックスTM)の登場
これも、切らない美容医療の普及に多大な貢献をしました。A型ボツリヌス菌毒素は、運動神経と筋肉を遮断して動かなくするので、しわを寄せるような表情筋を麻痺させます。但し、半年強しか作用の持続はないので、また注入するしか持続できません。

スクエアクリニック公式HP
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美容医療で死なないために: 美容外科・美容医療に纏わるネガティブな問題と近未来への提言
北岡冬木全詩集
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