皮膚の血流と皮弁の基礎(前編)
- HIKO HYAKUSOKU
- 5月8日
- 読了時間: 2分
美容外科・美容皮膚科は皮膚を扱うことがメインなので、皮膚の血流について、十分
な知識と経験が必要である。従って、形成外科学と皮膚科学の研修は必須である。
1. 皮膚の構造概説
皮膚は表面から順に、角化層→透明層→顆粒層→有棘層→基底層 となっており、ここ
までは血管もリンパ管も来ていないので、例えこの層の細胞が癌化しても転移しない
(表皮内癌と言う)。そして。基底層と血管やリンパ管のある皮下組織すなわち真皮
を隔てる隔壁を「基底膜」と呼ぶ。但し、知覚神経は基底膜を超えて存在するので、
血が出なくても擦り傷が痛いのはそのせいである(実際には、基底膜は凸凹している
ので、血が出ない擦り傷というのは、まずないが)。
さて、基底膜の下層の構造は何なのか説明する。
コラーゲン、構成された真皮である。ここには、血管もリンパ管も神経もあるので、
もしも細胞の悪性化が生じたり、上皮内の悪性細胞が基底膜を超えてこぼれてきたら
、悪性細胞の他部位や多臓器への転移が生じおる可能性が生じる。
そして更に下層は皮下脂肪である。栄養状態が良く十分に代謝がなされないと、ここ
の脂肪細胞が蓄積されて太るのである。
以下の図を参考にしてほしい。
悪性細胞の基底膜からのこぼれ具合による、10年生存率を著した有名な図である

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