切らない美容医療後遺症の実際
- HIKO HYAKUSOKU

- 7月31日
- 読了時間: 4分
1.#顔面フィラー注入の後遺症
顔のシワ取り、下眼瞼のゴルゴライン、下口唇のマリオネットライン、法令線や水疱瘡後の凹みなどをフィラー(注入剤)で充填する施術後のトラブルがあり得ます。フィラーのほとんどはヒアルロン酸やコラーゲンなどの数ヶ月から1年で吸収される物質なので、期待通りの結果が得られなくても、多くの場合いずれ吸収消失します。また、ヒアルロン酸にはヒアルロニダーゼと言う分解剤があるので、吸収される前に除去することも不可能ではありません。(注参照)
以下にトラブルの種類を列挙します。
1. シコリ(特に下眼瞼)が生じる
2. アレルギー反応による皮膚異常(ヒアルロン酸ではまれに見られる)
3. 血管内注入や血管圧迫による皮膚の炎症や壊死
多くは動脈塞栓であり、口唇部、鼻翼部に起こる。鼻根部で眼動脈に注入して失明したケースもある
4. 感染(不潔な操作や毛穴や皮脂腺の炎症の波及によって起こる)
5. 年余を経ても消失しない(非吸収性物質の可能性が高い)
純粋な吸収性フィラーでは、余程一塊として注入しない限り消失するが、半永久的に吸収されないことがメリットのように説明され、非吸収生物質がフィラーとして使用される場合があり、その場合は皮膚を切らない限り除去できない

(左)ヒアルロン酸注入にアレルギー反応を示した例(青木律氏提供)。(右)非吸収性フィラーによるシコリの形成。

(左)15年前にしわ取り目的で顔にシリコンを注入され、異物反応で腫脹した。[右]20年前に顔面にシリコンを注入された。
注:#ヒアルロン酸などの吸収性物質の注入について
ヒアルロン酸などの吸収性物質は、皮下に少量ずつ分散させて注入した場合は半年から1年で吸収されてなくなるが、一部分に大量に(例:小指頭大)まとめて注入すると、異物反応で周りにカプセルを形成し吸収されないことがある。この場合は分解酵素(ヒアルロニダーゼ)の注射によって溶解させなければならない。しかし,分解酵素で炎症をきたして皮膚に色素沈着などをの遺すことや、シコリが遺ることもあり、注意が必要である。
さらに、ヒアルロン酸の乳房注入による豊胸術がある。しかし、これはヒアルロン酸の誤った使用方法と考える。たとえ吸収性物質でも、一箇所に大量に注入されれば異物肉芽腫のシコリができ、吸収を阻害する確率が上がる。
2.#ボトックスTM注射の後遺症
ボトックスは製品名であり、正確にはA型ボツリヌストキシン毒素である。作用は、運動神経と筋肉との間の伝達を遮断して、筋肉の働きを阻害する。美容医療では、顔面の表情筋の運動を鎮静化する。効果の持続は半年から1年である。
副作用としては、眉が上がらなくなったり、顔面全体が無表情になったりする。いずれにせよ、恒久的なものではない。
3.#糸リフトの後遺症
糸リフトと言うのは、一般的な方法は、外套付き注射針のような器具で、側頭部の生え際付近から、縦に頬部の脂肪周囲まで刺入し、返し付きの吸収糸だけを残して、注射針を抜去して、遺した糸を引っ張って、頬のたるみを引っ張り上げるのと、同じ方法を耳の周辺から上口唇、下口唇の皮下まで刺入する、いわゆる「#小顔形成」の横方向糸リフトがある。縦2本、横2本が基本である。後遺症としては、内出血や感染による腫脹、不満足な結果、などがある。
4.#成長因子注入の後遺症
追う一つは
自家血小板濃縮による「#PRP=Platelet Rich Plasma」に成長因子を混合して、顔面皮下に注入し、コラーゲンを新生して若返らせる、と言う目的の方法であるが、問題点が2つあるので、記述する。
一つは、混合する成長因子が外用に使用が限られる製剤である場合は、注入に使用すべきではないと言うことである。
もう一つは、満遍なくコラーゲンを新生すると言う振れ込みであるのに、部分的にシコリを形成したり、前額部などは皮下組織と骨が近いので、ぼこぼこになる事がある事である(下図)。

5.照射療法の後遺症
#レーザー光線や光照射(#IPLなど)はさまざまな波長や出力の操作があり、一概に語れないが、まれにある後遺症としては、出力過多による熱傷と、肝斑に照射することにより却って濃くなることである。
6.#脱毛療法の後遺症
上記の照射療法の後遺症と被るが、出力過多による熱傷が多い。医師か看護師による場合以外は、医師法違反の誹りを免れない(下図)。

#美容医療後遺症 #顔面フィラー #ボトックス #ヒアルロン酸 #脱毛療法 #レーザー光線 #PRP #成長因子注入 #小顔形成 #糸リフト


コメント