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皮膚の血流と皮弁の基礎(後編)

  • 執筆者の写真: HIKO HYAKUSOKU
    HIKO HYAKUSOKU
  • 16 時間前
  • 読了時間: 2分

2.皮弁の基礎―#植皮と#皮弁

植皮(正しくは遊離植皮)と皮弁移植は、いずれも皮膚欠損を修復する方法である、植皮は、他部位の皮膚を、薄く削除して、植皮部に貼り付けて植皮床からの血管の再生を待つ方法で、圧迫・止血・固定(タイオーバー固定が一般的)を1週間位厳重に行う必要がある。植皮片の厚さにより、分層と全層があり、分層の方が着きやすいのですが生着後の拘縮や色素沈着が全層植皮より顕著である。


図:生まれつきの黒あざ



図:大腿部からの分層植皮の成人後。


植皮は、色調や肌理の違いがある。メイクアップが必要になる。


第7肋間穿通枝

一方で、皮弁は血流のある皮膚を皮膚欠損創の被覆に用いる方法で、遊離植皮のような拘縮や色素沈着は殆どない。皮膚が茎部に連続している「有茎皮弁」と遠隔部からマイクロサージャリーによる血管吻合を用いて移植する「遊離皮弁」がある。また、皮膚茎を完全に切断し且つ栄養血管を裸にして、有茎皮弁のように近隣部位に移植する「血管柄有茎皮弁」もある。さらに、筆者が考案して世界的に普及した、皮膚茎と血管柄吻合を両用した、血管「血管柄付加有茎皮弁」がある。なお、皮弁の血流は皮下脂肪を厚く付けないと保たれないと言う「迷信」があったが、全層植皮とあまり変わらない厚さにした、「超薄皮弁」でも、十分に生着することを、筆者が1990年代に世界に示してから、植皮を少し厚くした皮弁移植が可能になった。



血管柄付き有茎超薄皮弁による頸部瘢痕拘縮の再建例。


(左:術前 中:術後 右:皮弁のデザイン)上の黒→は、皮膚有茎、青→は肩甲骨

回旋血管(マイクロ吻合) 下の黒⇒は肋間穿通血管(マイクロ吻合)皮弁は超薄皮弁にしたので全層植皮とあまり変わらない。


#皮弁 #植皮


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