私が鑑定書・意見書を書いたり、裁判に関わった形成外科・美容外科の裁判事例概説
- HIKO HYAKUSOKU

- 8月14日
- 読了時間: 2分
私が鑑定書・意見書を書いたり、裁判に関わった形成外科・美容外科の裁判事例概説。
(個人名は伏せます。)
文責:百束比古
2, 顔面美容外科手術の術前IC不足
美容外科手術と言うのは、手術の効果が、「思った結果と違う」、「もっと素晴らしい結果が得られると思った」、「言われたこととされたことが違う」「却って悲惨なキズアトが遺った」なと、トラブルになる事がある。我々医師からすると、手をつけてはいけない患者さんもいる。それは、精神疾患、ポリサージャリー(ドクターショッピングとも言う)患者、性格異常(とくに執着気質)、単独で来院した未成年者、などである。それでも手術前には分からず、医師としてはしまったと思うことはある。
さて、本題に入る。
1. 言った言わないの応酬
患者さんからすれば、手術前に言われていないことをされた、麻酔で意識のない時に、何をされたか心配である。本当に、説明された熟練の医師が執刀したのか疑問である。などなど証拠のとれない応酬である。欧米などの契約社会では、文書できっちりICが取られ、患者さんの署名も厳重にとられるが、わが国の慣習では、中々そのように行かないばかりでなく、署名したにもかかわらず、言った言わないの応酬が始まる。中には、クレーマーやカスハラ・ドクハラと思われるような患者さんもいる。
2. 間違った手術をされた
左右を間違えて手術されたり、署名文書と明らかに違う手術をされた、と言うような案件は、医療過誤が証明できるIC文書があれば、医療側が責任をとる義務が生じる。
口角のZ形成術が、説明とは逆になされた、と言う執刀医のミステークが証明された例があった。
3. 技量が十分でない医師に手術をされた
結果が思わしくなく、術前の説明通りでなくても、これは証明が困難であり、特に全身麻酔下では難しい。しかし、同席した看護師が証言したことで発覚した例があった。
4. リスクの説明が不十分であった
術前に説明された傷跡が、思ったより目立ったり、ケロイド状になったことが、説明されていなかったと言う事例は多い。とくに、フィラー注入後にシコリが遺り、それを摘出するために傷跡が遺った、という不満を訴えることは多い。
スクエアクリニック公式HP
警鐘!美容医療の落とし穴: 〜美容外科・美容医療に 纏わるトラブルや後遺症集
美容医療で死なないために: 美容外科・美容医療に纏わるネガティブな問題と近未来への提言
北岡冬木全詩集
#形成外科


コメント