私が鑑定書・意見書を書いたり、裁判に関わった#形成外科・美容外科の裁判事例概説。(個人名は伏せます。)
- HIKO HYAKUSOKU

- 9月25日
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#人工物注入による#豊胸術の後遺症―1.#乳癌の合併
人工物、例えば古くはワセリンやパラフィンなどの炭化水素あるいはシリコンジェル、新しくはアクアフィリングすなわちポリアクリラマイドハイドロジェル、ヒアルロン酸などが注入剤として使用された。これらのフィラーは必ず異物肉芽腫による硬結(シコリ)を形成するので、乳癌が発生しても#自己診断が難しく#早期発見が遅れることになる。なお、異物ではないが、自家脂肪注入でも同様な事が起こる。
前述のように乳癌の合併があっても、早期発見ができずに手遅れになって、命を落とし、遺族が施術医を訴えることがあった。要するに、そのようなリスクの術前説明がなかったと言う事が問題とされた。
左の写真は別の症例であるが、異物注入後の乳癌の発生例である。右はそのマンモグラフィーで、やや濃い陰影が癌であるが、触診では異物肉芽腫のシコリか区別がつかず、自己診断による、早期発見は困難である。

2.他部位への移動・流動
異物注入による豊胸術は、術後他部位に異物が異動したり、貪食細胞に異物が捕食されて播種すると言う危険がある。
異動する部位として多いのは、上腕部筋肉(運動により筋膜上に移動する)、腋窩部、上腹部がほとんどであり、播種する部位としては、腋窩リンパ節、まれに顔面。下図はその稀な顔面部への播種と思われる例である。

左:豊胸に使用したシリコンゲルが顔面に播種した稀な例 右:その乳房異物画像 |
鈴木かやの, 青木見佳子, 竹崎伸一郎, 川名誠司, 青木律, 百束比古, 宮沢七郎 多彩なこう原病類似症状を呈したヒトアジュバント病 J Nippon Med Sch 70 (3) 283, 2003 より |
スクエアクリニック公式HP https://www.squareclinic-hyakusok.com/ 警鐘!美容医療の落とし穴: 〜美容外科・美容医療に 纏わるトラブルや後遺症集 美容医療で死なないために: 美容外科・美容医療に纏わるネガティブな問題と近未来への提言 北岡冬木全詩集 |
#形成外科 #自己診断 #早期発見


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