美容外科後遺症の実際
- HIKO HYAKUSOKU

- 7月17日
- 読了時間: 3分
この項目は実際はかなり膨大になるので、掻い摘んで箇条書きにする。なお、フィラーなどの注入や糸リフトによる後遺症は、#切らない美容術なので、次次項で述べる。
① 二重にする重瞼術
一番多いのは、左右差であり、多くは半年位の経過観察であまり気にならなくなる。それでも治らないのは技術的な問題である。埋没法では、2週間以内であれば留めてある糸を外して再手術も可能であるから、経過を予測してそうすることもあるが、未熟な施術者では予測もできないであろう。切開法では、一度作った切開線は変えられないので、再手術は困難である。最も留意すべき合併症は、球後出血・血腫である。眼窩内の出血により失明のリスクもあるので、術後経過の厳密な把握が必須である。
② 鼻を高くする隆鼻術
鼻を高くするには、何かを鼻背に挿入するしか方法はない。
では、その何かを分類してみる。
⑴ シリコンプロテーゼ
⑵ 自家軟骨
⑶ フィラー注入
シリコンなど異物挿入後最も多い後遺症は感染などによるプロテーゼの露出である(下図参照)。感染による場合には、処置が遅れると、鼻全体が崩れたり失われる可能性がある。

鼻尖部のシリコンプロテーゼ露出の例。
自家軟骨は、主に耳介から軟骨を採取するので、変形の訴えがある。
フィラーは、ヒアルロン酸の場合、経過とともに吸収されて減量することがある。非吸収性フィラーの場合は、変形があっても櫃との癒着で摘出できず、永久的に変形したまま、と言うこともある。また、フィラー注射で最も怖いのは、眼動脈の血管内注入・動脈圧迫による失明である。
③ 額のしわ取り術
A型ボツリヌス毒素(ボトックスTM)表情筋への注入が一般的である。
ただし、注射の部位を誤ると、眉の下垂が生じる。
また、内視鏡を用いて、前額部の皮下剥離や愁眉筋の切除を行い、前頭被髪部の皮膚切除を左右に行う方法もある。全額の生え際を切除縫合する方法は、効果はあるものの、眼窩上神経を切除して前頭部の知覚麻痺を来すので、施行すべき術式とは必ずしも言えない。
④ 下眼瞼のたるみ・くま取り術
最近複数の美容チェーンが宣伝しているが、一度に治すには手術が効果的である。手術の方法の基本は、睫毛下切開で眼輪筋を露出し、目の外側の骨膜に留めて引き上げ、下眼瞼の余剰な皮膚を切除するのが、基本的な手術法である。同時に、余剰な眼窩脂肪の切除を行う場合もあり、その場合は術後の出血を安全にドレナージすることが肝要である。眼窩内の不十分な止血・ドレナージは眼球圧迫による失明の回避に重要である。
眼窩内脂肪の簡便な切除法として、下眼瞼結膜を炭酸ガスレーザーなどで1cm位切って、眼窩脂肪を引き出して電気メスなどで切除する方法がある。この場合、敢えて縫わずに術後のドレナージを促し、自然閉鎖を待つ方法がある。余剰皮膚は切除しないので、多くの場合効果は不十分である。しかし、術後に眼窩脂肪が膨張して結膜の傷口からはみ出し、眼帯が必要となる後遺症がある(下図参照)。

結膜から眼窩脂肪が膨張してはみ出した例。2週間は眼帯が必要で仕事を休まざるを得なかったと言う。
その他のレーザーなど機器による切らない方法は、施術が何回も必要であり、その割には効果は不十分の場合が多い。
以下は次項で説明する。
⑤ 整鼻術
⑥ 陥没乳頭矯正術
⑦ 豊胸術
⑧ 下腹部の脂肪除去術
⑨ 男性性器の手術
⑩ その他
スクエアクリニック公式HP
警鐘!美容医療の落とし穴: 〜美容外科・美容医療に 纏わるトラブルや後遺症集
美容医療で死なないために: 美容外科・美容医療に纏わるネガティブな問題と近未来への提言
北岡冬木全詩集
#美容外科後遺症 #切らない美容術


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