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美容外科後遺症の実際

  • 執筆者の写真: HIKO HYAKUSOKU
    HIKO HYAKUSOKU
  • 7月24日
  • 読了時間: 5分

この項目は実際はかなり膨大になるので、掻い摘んで箇条書きにする。なお、フィラなどの注入や糸リフトによる後遺症は、#切らない美容術なので、次項で述べる。


⑤   #整鼻術

隆鼻以外の鼻の形の美容手術は、鼻のnotchの削り、鼻翼の縮小や鼻孔底の狭小化、などがあるが、notchは鉤鼻とも呼ばれ、ユダヤ人に多い印象があり、東洋人には少ないと思われる。鼻翼の縮小や鼻孔底の狭小化は鼻が横に大きな印象を治す目的がある。しかし、鼻に拘る人の何パーセントかは、精神疾患を被っていることが隠されているので、メスは入れない方が良い場合がある。従って、手術の結果が満足しないとしても、極端な左右差以外は、精神的な場合が多い。


⑥   #陥没乳頭矯正術

陥没乳頭は若い女性の場合は乳房の成長に乳頭が追い付かず、乳管が乳頭を引っ張って陥没を促す印象があり、つまり乳房の大きな女性に多いような気がする。中年以上の女性の場合は、乳癌が原因の事もあるので、必ず乳房専門医に診療してもらうことを勧める。

美容外科的治療では、手術があるが、乳管の温存が必須である。後遺症で多いのは、術後の固定が不十分で陥没の再発がある。予防法としては、百束式#インバーピアスの装着が有効である(下図)。


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⑦   #豊胸術

まず、わが国における豊胸術の歴史と合併症・後遺症について概述する。

 

パラフィン、ワセリン、シリコンジェル注入の時代:戦後の日本では、異物の注入による豊胸術が半ば闇で行われ、異物もパラフィン・ワセリンなどの炭化水素からシリコンジェルに至り、シコリの形成や変形、異物の皮膚への染み出し、自己免疫疾患であるヒト・アジュバント病の罹患などの惨害を遺した。

シリコンバッグの時代:1980年頃からは、シリコンジェルをシリコンラバーなどのバッグに封入したバッグプロテーゼが市販され、腋窩部や乳房下部から挿入された。しかし、カプセル形成によるシコリや破裂、劣化によりシリコンジェルの注入と同様な後遺症が発生することもあった。

生食バッグの時代:1990年代は、生理食塩水バッグ(生食バッグ)が世界を席巻した。しかし、感触が悪い、外力や気圧の急変で破潰しやすいなどの欠点から、長くは続かなかった。

コヒーシブ・シリコンバッグの時代:2000年頃からの主流は、バッグが破れても内容物が流出し難い「コヒーシブ・シリコンバッグ」が用いられるようになった。

その他:しかし、一部でハイドロジェルの注入やハイドロジェルバッグの埋入、正しくない方法での脂肪注入(項目21を参照)なども行われ、感染による皮膚壊死や乳癌との区別の難しいシコリの形成という後遺症を生み出している。

悪性リンパ腫の発生:更に最近では、欧米でテクスチャータイプのバッグ(バッグの表面がザラザラしている)による悪性リンパ腫の発生も稀にあるとの報告があり、我が国でも発生している。

乳癌の合併について:シリコンに発癌性がないことは実験的にも臨床的にも証明されているが、ハイドロジェルとくにポリアクリラミドが単体になると発癌性が懸念されている。シリコンにせよ、脂肪注入にせよ、シコリを作る可能性があるので乳癌の自己診断や早期発見を阻害することは明白である。

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(左)シリコンジェル注入後の左右のマンモグラフィー。白く写っているのがシリコンジェル(右)。

シリコンジェル注入の後遺症―乳房の変形とシリコンの皮膚への染み出し。

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⑧   下腹部の#脂肪除去術

下腹部の脂肪は、つまむと気になる厄介なものだが、手術的の除去あるいは減量するには、脂肪吸引があるが、実は皮膚も一緒に除去しなければ効果はあまりない。その場合、

下腹部の皮膚を、上弦の三日月形に皮下脂肪と共に除去する。

唯一の後遺症があるとすれば、切除あとの瘢痕ケロイドである。もしも、瘢痕ケロイド形成があれば、圧迫療法、ステロイド注射、再切除して放射線照射療法、などのケロイド治療を加える。

 

この症例は、下腹部の皮膚脂肪を皮弁として、血管付きで乳房の移植したが、下腹部の脂肪がなくなって、スッキリしている。皮膚脂肪を除去した傷跡も

きれいである

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⑨   男性性器の手術

美容外科の範疇からは逸脱するが、後遺症患者が美容外科を訪れることが多いので、触れておく。手術には、#包茎矯正術、#長茎術、#陰茎増大術などと称するいわゆる「性的欲望術」がある。なお、「真性包茎」だけは、発癌リスクもあるので、保険適応である。

 

上図は包茎手術後の包皮の壊死。下図は、非吸収性フィラー注入による増大術の後遺症。

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⑩    その他


耳たぶや耳の軟骨部に、ピアスイヤリング用の穿孔後、金属アレルギーや感染を契機に、ケロイドを形成することがある。このケロイドの切除は、後療法として何もしなければ、ケロイドの再発が必至である。後治療には、圧迫、ステロイド注射、放射線照射がある。

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ピアスケロイドの典型例。単なる切除では再発が必至であり、後療法を厳重に行わなければならない。


スクエアクリニック公式HP


警鐘!美容医療の落とし穴: 〜美容外科・美容医療に 纏わるトラブルや後遺症集


美容医療で死なないために: 美容外科・美容医療に纏わるネガティブな問題と近未来への提言


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#切らない美容術 #整鼻術 #陥没乳頭矯正術 #インバーピアス #豊胸術 #包茎矯正術、#長茎術、#陰茎増大術

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