軟骨移植の基礎知識
- HIKO HYAKUSOKU
- 6月19日
- 読了時間: 2分
まず、軟骨移植はどこからどこにするかを纏めてみる。
1. 美容外科手術
耳介軟骨→鼻背
鼻中隔軟骨→鼻背
肋軟骨→鼻背
2.形成外科手術
肋軟骨→耳介(小耳症など)
耳介軟骨→口唇(口唇裂など)
3.耳鼻科手術
耳介軟骨→気管(気管一部欠損など)
この内、1のみ美容外科であるから詳述する。
軟骨の基礎知識
① 軟骨は血管が入ってない。
例えば、骨には血管が入り骨髄は造血細胞で満ちているが、軟骨には血管は入っていない。軟骨をラッピングしている、軟骨膜は血管が入っており、それが軟骨を造る。従って、移植した軟骨は成長もしないし吸収もされない。移植した軟骨は結合織でラッピングされて固定される。
➁ 軟骨の組み立ては縫合糸か金属線で行う。
例えば、形成外科領域で行う小耳症の耳作りには、肋軟骨を組み合わせて耳部の皮下に埋入する。通常はステンレスなどの金属線で組み立て固定する。
➂ 移植軟骨は変形する。
隆鼻術で鼻背に埋入する耳介軟骨は、元々平らな形状ではないので、移植後反ったりする事がある。鼻中隔軟骨と肋軟骨は反ることは皆無である。
④ 軟骨採取部の瘢痕
耳介軟骨は次回の裏側から採取するので、キズアトは目立たない。しかし、稀に耳介後面には瘢痕ケロイドが遺る事がある。
鼻中隔軟骨の採取部は外から見えないのでキズアトの心配はない。しかし、採取が難しく術後大量鼻出血の心配がある。
肋軟骨は採取部が胸なので、キズアトが目立つ。稀に瘢痕ケロイドが遺ることがある。

耳介軟骨移植による隆鼻術後の変形。


(参考)肋軟骨移植による小耳症形成術。(上左)肋軟骨の採取。(上右)組み合わせ。
(下左)完成。(下右)胸の採取痕。
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